キスツス




「姫さまー!姫さま!!」

「お、お待ち下さい..!」


城の者達だ!

やっぱり迎えにきてくれたんだ!


「ここよー!ここ!!!」


森のほうに少し近づき、声を上げて場所を知らせる。

ガサガサ。

すぐ近くにいたようで、目の前の木を抜けてきた。

足元が目に入る。


「姫さまー、姫さまァ」

「お、お待ち下さィ?」


なんだかいつもと違う気がする。

助けに来てくれたはずだけど、何故だか怖く感じて後ろにじりじりと下がる。


だんだんと明かりに照らされ、ボロボロの服を着た城の兵士の首下まで見える。

ボロボロ...?


もう顔もみえる、その時後ろから走る音が聞こえた。

それはすごいスピードで近づいてきてフェンスを越え、私の上を飛んだ。

そしてそのまま兵士達を蹴り、3人で森の中に消えた。