キスツス




男は女に近づき、出るぞ、とため息を吐きながら同意を求める。

女はこのままいても何も話してくれそうにないなと、頷きそのまま客に背を向ける。


「ちょ、、ちょっとまて!
話聞きたいんじゃなかったのか?!ゴホッゴホ」


その声に男は後ろを睨むが、女は何も反応しない。

このままじゃ綺麗な女が去ってしまう!

そう考えた客はベラベラと話し出す。


「あんなことってのは、あれだ。
何年も前に完全に滅びちまったあの国だ!
ずっと完全に隔離されていたが、そろそろ中も落ち着いたはずだと隔離範囲を狭めようとしてるんだよ!

それで、貧困な俺たちがその開拓の第一人者となって様子を見ようとしてるんだよ...。
本当に安全なのか、をな。
俺たちなら何人死のうが構わねえんだ...」


最後は完全に酔いが覚めたように下を向きながら言った。