キスツス




ーーバタバタッ、

走って長い廊下を駆け抜ける。

な、なんか、いつもよりしつこくない?


「姫さまー!姫さま!!」

「お、お待ち下さい..!」


後ろを見るとまだ走ってきている。

しつッ、こい!


「もう!!」


城の中を逃げまわってても抜け道は使えない。

よし、このままもう外に出ちゃお!


「確かこの辺窓からは出られるはず.....っと、
あった!ここだ」


記憶を辿り走り続けると、赤のハンカチが風に吹かれていた。

周りの窓は開いておらず、その窓だけが不思議にも開いている。

そんなことには気に求めず、わたしは窓を飛び越え外に出た。


「久々の、外の空気....」


何年ぶりかに吸った外の空気は、何故だか息が詰まるように感じた。