ある日の放課後、私たち福祉コースの生徒たちは図書室に集まっていた。放課後の図書室には私たち以外誰もいない。

図書室の椅子に座り、私たちは考え込む。私たちの前には、伊藤先生に出された宿題が置かれている。その量は夏休みに出されるプリント集のように多い。

明日から早くもゴールデンウィーク。これはゴールデンウィーク中の宿題。

難しい問題もあるから、みんなで少しでも進めよう。そう海斗が言ったから。

宿題の中身は、伊藤先生の座学もあれば、杉浦先生の実技に関する問題もある。

「これ、何だったかな?」

詩織が問題を指差す。みんなが一斉にその問題を見た。

『介護の三原則を答えなさい』

一、安全・◯◯

二、個人の◯◯

三、◯◯支援

実技の問題だ……。

「実技っていえば、休み明けにベッドのシーツ交換のテストするんだっけ」

結衣の一言で、私は一気にブルーになる。

「うわぁ……。それ言わないで〜」

「俺、あれ苦手なんだよ」

私と太陽が同時に机に突っ伏した。