――ドキドキドキドキ。 正直腰が抜けそう……。 「……そういうのやめて……っ。禁止!」 柄にもなく大きな声を出した私が面白かったのか、朝比奈くんは堪え切れないように吹き出した。 「ぷっ、ふ……。禁止なの?」 窺う上目遣い。 きゅうんと胸が痛くなる。 自由自在。弄ばれるがまま、顔は燃えるみたいに熱くなる。 そんな私なんて構わず、「はー、うける」なんて呟いてから 鞄を手にとり、歩き始めてしまった。 いつだって呆れるほどマイペース。 人を弄ぶのが大好きなとこ、ほんとに最低だ。