時計の針が重なる前に


すると、花梨の携帯のバイブが鳴った。


「あ、もしかして、冬哉さん?」

「あ、うん」

今日は夕方、冬哉の叔父さんの家に行くことになっていた。

ガラスの靴が完成したようなのでそれを受け取りに行くの、と彼女として挨拶をしに行くのだ。

そして、冬哉から仕事が終わったというメールが届いた。


「じゃあ、今日はここでお開きだね。

また、お茶しようね」

そう言って優菜と別れ、冬哉が待っている場所へむかう。


「冬哉さん!」

花梨は冬哉を見つけるとすぐさま声をかけた。


「ごめんなさい。待ちましたか?」


「大丈夫だよ。

じゃあ、行こうか。」


二人は車に乗った。


「うぅ…なんか、緊張します。」

「どうして?一回あってるのに笑」

「なんか、彼女としてって思うと…」

緊張している花梨の頭を優しくなでる。

「大丈夫、俺がいるんだから」

冬哉が微笑むと花梨の緊張も少し和らぐ。



そして、どちらからともなくキスをした。