時計の針が重なる前に



「こんなにかわいいんですね!」

寝ているシフォンを眺めながら花梨は言った。
猫など生き物を飼ったことがない花梨はシフォンのかわいさに一目で夢中になっていた。


「でも、いたずらがすごくていろんなもの壊されましたよ
ほんと、仕事に必要なものとかは厳重に閉まっとかないと大変です」

ため息混じりで冬哉が言った。


そして、シフォンを部屋の寝床に連れていった。


「花梨さん、神宮寺さんは今日はどこに?」

「お父さんは、たしか県外だと思います。
明日には戻るといっていました。」

「そうですか…

今日はどうしますか?」

花梨にとって、あの家に戻り義姉たちに会うのは嫌だった。

が、彼氏とはいえ冬哉に泊めてほしいというのもなんとなく恥ずかしかった。


「もし、花梨さんが構わないなら、俺としては泊まっていってほしいですけどね」


そう言われて花梨が嬉しそうにしたのは言うまでもない。