時計の針が重なる前に



花梨は夢で見てるような気分だった。

いや、夢かと思いおもわず手の甲をつねった。

その痛みに夢ではないことを悟り、冬哉と両思いだという嬉しさに涙がこぼれた。


しかし、冬哉はそれを別の意味でとってしまい、


「いきなり、こんなこと言われても気持ち悪いですよね…」

ディッシュ箱を花梨に手渡しながら慌てて謝る。

そんな冬哉に花梨は首をふり、

「ち、違うんです…嬉しくて…」

「え?」

「私も冬哉さんのこと、好きなんです。

その、これは嬉し涙みたいなもので…」

笑顔を見せようと顔をあげようとしたとき、冬哉に抱き締められた。