時計の針が重なる前に



「シフォンは2年前捨てられてるところを俺が拾ったんだ。すっごい雨が降ってる日だったんだけどね。

でも、その前に一人の女の子がミルクをあげてたんだ。」


花梨は“2年前の雨の日”という言葉である記憶がよみがえってきた。

高校三年の梅雨の時期に捨て猫にミルクをあげたことがあった。
その時は、家で引き取れずどうしようか悩んでいたところを通りすがりの男性が引き取ってくれたのだ。

「もしかして……」


「はい。あの日、シフォンを引き取ったのは俺です。」


花梨は驚きで何も言えなかった。
まさか、以前に冬哉と会っていたとは予想だにもしなかった。