時計の針が重なる前に



家は真っ暗で誰もいなかった。


花梨は夕食のまえに部屋で冬哉に電話しようと思った。


階段をあがり、部屋のドアを開けると、


「あら、やっと帰ってきたのね。」


部屋の中に寧々が立っていた。


彼女の右手にはあのガラスの靴が握られている。

「どうして、私の部屋に……?」

驚きで固まっていた状態から、やっと絞り出せた言葉だった。