時計の針が重なる前に



「どうしてここに?」

冬哉がいることに驚きを隠せなかった。

「いえ、今仕事が終わって帰ろうとしていたら花梨さんらしき人を見かけたので」


冬哉の言葉に花梨は胸がきゅんとした。


人が多い街の中で自分を見つけてくれたのがどうしようもなくうれしかった。


「あ、花梨さん。ガラスの…」


「何か用ですか?」


冬哉の言葉をさえぎり、二人の間にたったのは誠也だった。