時計の針が重なる前に



「ねぇ、あれ美味しそうじゃない?」


花梨が指をさした先にはワゴン車のクレープ屋さんがあった。


「クレープ食べない?」


花梨の提案に誠也は即座に賛同した。

二人は大の甘党なのだ。

クレープを買ったあと近くのコンビニのベンチで食べた。

「おいしい…!クリームとフルーツの組み合わせがよすぎる…!

あ、お金払うよ」


クレープの美味しさに別の世界に飛んでいたが、
まとめて買ったため、誠也にたてかえてもらっていたのを思い出した。


「いや、いいよ。」


が、なぜか誠也はかたくなに受け取らない。


「おごってもらうのは申し訳ないよ…」

「だって、こういうのは男がおごるもんだろ。お金返されたらかっこつかないし…」


花梨にはその理論はわからなかったが誠也ががんときて受け取らなかったのでしぶしぶ諦めた。