『結歌っ!』


俺が呼び止めても振り返って貰えない。


「ねぇ。あんな子よりあたし達と遊ぼうよ〜」


結歌を追おうと、する俺の腕を掴む2人の女。


『あんな子って誰のこと言ってんだよ。』


さっきまでも、適当にあしらってはいたけど、急に声色が変わったことに怯んだすきに、腕を振り払う


『次、結歌をバカにしたらただじゃおかねぇからな。』

クサイ捨て台詞を吐いてから結歌を追った


クリスマスが近くいつもより賑わっているせいで、もう結歌の姿は見えない。


1人で店に入れない結歌がショッピングモールの中にいるとは考えにくい。


とりあえず近くの出口から外に出る。


駅に向かったとしても、この辺りは駅が近いところに沢山あるから、どの駅だか…。


迷っている暇は無い。

他の族に捕らえられたりしたら…。


結歌もあのときみたいに___


こんなことなら、遊びになんて連れ出さないで結歌の話を聞いてあげればよかった…。


とにかく今は直感で走り出した。