「早まるな、落ち着け、一回話し合おう」
ーーー聞こえない
「俺たちが悪かった、許してくれ」
ーーー知らない
「そんなことしても何にもならないぞ」
ーーー分からない
「どうして!!」
ーーー?
なんだろう心の中のこのなんとも言えない塊は
どうやったら消えるのだろうか。
それだけを考えてそこに立っていた。


ーーーゼローーー

「お前は二酸化炭素を吐き出して環境破壊に貢献しているだけの腐ったマシーンなんだよ」
誰かに言われた。
否、私がそう思っただけなのかもしれない。
いつからか、私は言葉を発することを辞めていた。
元々発せなかったのか。そんなこと今更興味はない。ただ。許せない。許さない。
と、そう感じたのは間違いではなかった。


ーーーイチーーー

1人で街の外れを歩いてた。
「ねぇねぇ、ねぇ!ねぇってば!!」
凄い勢いで肩を叩いてくる、うるさい。
振り向くと満面の笑みでこっち見てる
同い年くらいの男子がいた。
私は声が出せない。
「君さ!!俺と友達になってよ!!」
ーーーなにいってんだこいつ。
とりあえず首を傾げる。
「いいの!?ありがとう!?」
ーーーバカなのかこいつは。
「僕はリュウ!君は??」
声が出せない。俯いてみる。
「そっか!まだ名前が無いんだね!じゃあ、
俺が名前を付けてあげるね!んーそうだなぁ〜」
ーーーいや、バカか?バカなのかこいつは?
「そうだ!君の名前は!」