欲望の飴と飴売り少女Ⅱ

「なんかこの先生の授業眠くね?」

ペン回しをしていた本郷くんが話しかけてくる。

「 眠い、夜寝れなかったから」


「確かに目の下にくまが出来てるね。寝れないときは肩を何回か回してから寝るといいよ」

本郷くんは軽く肩を回す動きをする。それに笑う私。

「こら、本郷、山下授業に集中しなさい」
先生に怒鳴られた。本郷くんは「うるせぇ」と先生に聞こえないくらい声で呟く。



帰りのHRが終わった。

「久しぶりに来たから色々大変だったな」

亮太が私の机まで来て話しかける。
「うん、じゃあ帰って早く病院行こ」
私は荷物を背負う。荷物が机にぶつかり本が落ちる。