欲望の飴と飴売り少女Ⅱ

「じゃあ席はそこで」

先生は本郷くんの席を指差した。その席は私の席の隣だ。

「はーい」
本郷くんは返事をし席の方まで来る。そして私の隣の席に座った。

「よろしく」

本郷くんは私の方を向いて挨拶をする。

「うん、よろしく」
何か複雑な気持ちだ。





「俺、まだ教科書届いてないから見せて」

「いいよ」

私は教科書を開き、机と机の間に置く。本郷くんは勉強には興味ないのかシャープペンをくるくると回している。いわゆるペン回しだ。

退屈な授業に私はあくびをする。木原さんのことを夜思うたび眠れない。