「じゃあ、入ってこい」
かすれた声で先生は手招きする。転校生は足から教室に入る。

「本郷裕翔です。えーとクラスの人と仲良くなりたいです。よろしくおね…あ、忘れてた」

女子からくすくす笑いが起きる。

「え、可愛いんだけど」

「それ」

転校生の本郷くんは無邪気な子だ。

「俺昔この辺に住んでたんだけど人を探してて…」

「えー誰?」
クラスの誰かが本郷くんに聞く。


「苗字が覚えてないんだけど亮太と蕾と…」

本郷くんが私と亮太の名前を出した時クラスの視線が私と亮太に集まる。