「今日、古田と…色々話してきたよ」


「そっか…久々だもんね」


「うん…今早瀬と会ってることも話してきた」


「……そっか」


「"元気?”って、言ってたよ古田」


「古田が?そうなんだ…良かった、覚えてて…」


「"初めて付き合った彼女なんだから当たり前だろ”って…」


「ははっ…そっか?」


早瀬は、俺の目は見ていなかったけど、俺は続けた。


「ごめん…これだけは、伝えたくて…っていうか、伝えなきゃ早瀬は前に進めないだろうなって…」


「え…?なに?」


ようやく早瀬は、俺の目を見た。


「古田が最後に言ってた、"早瀬には幸せでいてほしい”…って」


「……っ!」


「そう…言ってたよ、これだけは…どうしても今日伝えなきゃいけない気がしたんだ…」


「古田が…そう言ってたの?」


「うん…」


もしかしたら、早瀬はまた泣き出すかもしれない…。


そうなったとしても、これは伝えたかった。


少し視線を下に向けたあと、早瀬は口元に手を当てた。