「…俺も、同じだな」


「え…?」


「俺も…何回やり直しても高校生活中に早瀬に告れないし、古田にも言えないし、同じこと繰り返すだろうな」


「小林くん…」


「きっと、みんな同じだよ」


「うん…そうだね?」


大人になったって、過去の後悔は消えない…。


それを抱えながら、生きてくしかないんだ。


大切な思い出の一つとして…。


「もう…遅いね?帰るよ」


「うん…大丈夫か?」


「明日休みで良かったよ」


「そうじゃなくて…アパートまで送るよ」


「えっ!?大丈夫だよ、酔ってないし…」


「いいから、俺が勝手に心配なだけだよっ、今日だけ…アパートの3メートルくらい前でもいいから、ほら行くぞっ」


「小林くんっ…」


先に歩き出した小林くんを追いかけて、私達はアパートの方へ歩いて行くことに。


私は隣を歩く小林くんの横顔を見る。


「ありがとう…小林くん…」


「え…?なにが?」


「うーん…泣かせてくれて?」


「ふっ…なんだそれっ」


「分かんない…でも、なんだかスッキリした」


「そっか…」


「ハガキ…ちゃんと出さなきゃダメだよ?」


「分かってるよ」