「きゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁあ」


今日も女子の黄色い声で私の1日が始まる。





黄色い声が聞こえるほうに目をやると
学校で1番人気の青葉匠海(あおばたくみ)と
2番人気の藤宮翔(ふじみやしょう)が
たくさんのプレゼントを抱えて門をくぐって来る





たぶんあのプレゼントは女子からもらったもの。





「今日も匠海くんかっこよすぎる!」

「あのさらさらの黒髪に綺麗な顔立ち ッ」

「もう国宝だよ … 」

「私はやっぱ翔くん派かな!」

「整った顔立ちはもちろんだけど〜」

「あのちょっとつり目で冷たい感じがもう最高」





私の後ろを歩く女の子たちもあの2人を大絶賛




かっこいい?国宝?整った顔立ち?
そんなの私にはどっだっていい


なぜなら私はあの2人が大っ嫌いだからだ。




特に何かされた訳では無い。
ただあのチャラチャラした感じが気に食わない。




「ことー?すごい顔してる(笑)」




少し引き気味に私に話しかけてきた
廣瀬涼香(ひろせすずか)は中学からの大親友。





「なーんであんなイケメンをそんなに嫌うのよ」

「あのチャラチャラした感じが嫌なの!!
朝から女子にキャーキャー言われて調子に乗っ
ちゃって…」


「誰が調子に乗ってるって?」

「うわっ!」




急に頭上から降ってきた声の主は、



「あ、青葉匠海……!」



私の嫌いな人のうちの1人だった。