「次は秋葉原。秋葉原です。お降りの際はお忘れ物をなさいませんようご注意下さい。」

電車内に聞き慣れたアナウンスが流れると俺は人混みをかきわけながら出口に向かった。

アキバへ行くときはいつもこれだと、俺はうんざりしながら思った。

数年前まではこんなこと無かったのだが、空前のオタクブーム(今となっては立派な日本文化の一つ)のおかげでアキバ行きの電車はいつも混雑するようになった。

ちょっとマンガを見に行くだけの俺にとってはとてつもなく迷惑な話だった。

「本当に最悪だよ・・・」

俺は一人で呟いていた。