【Side 奏】



――…恋愛ごとに、興味はないほう“だった”。



「ついに麗と日向もくっついたかぁ」

「…ヨミさん、俺らって何なんすかね」

「ははっ!やめてよ奏、…泣きたくなるだろ…」

「あんたは違う意味でだろ」

「そうだよ!僕の麗が!日向めっ!!」



先週、俺の幼なじみであるあんぽんたん女とポンコツ男が見事カップルになった。

…っつーかカップルになるように仕向けてやったの方が正しい。拗れに拗れまくるところだった展開を、爆走して食い止めたんだから褒めてほしい。


部活帰りはいつも3人で帰ってたけど、それも徐々に遠慮しようと思うって言ったらあんぽんたんからのアッパーを喰らったので、なんでか3人で帰り続けている。…居辛いったらないけどまぁいい。


今日は部活がなく、階段でばったり会ったあんぽんたんの兄と並んで帰っている。…ちらほら下校中のカップルが見える中男2人。


まったく、現実ってのは酷だ。