「俺、麗のそういうところ本当に好きだよ。大好き」
「…え?」
「感謝をちゃんと口にできるところ。いつも一本芯が通ってるところ。…俺の光でいてくれるところ」
「光…」
「そう。サッカーも何もかも、麗がいるから頑張れるんだ」
常に周りを導く、みんなの光である日向が
…そんな風に思っていてくれたなんて。
優しく包むような声色が、あたしの心を甘くほぐしていく。
「全国優勝、しようね」
「うん。必ず連れていく」
「練習中は特別扱いしないよ?」
「分かってるよ。そのかわり練習が終わったら、たくさん癒してもらうからね」
頭を撫でる手つきが、
首元を揺らす吐息が、
うなじに触れる唇が。
全部、全部、いとしいよ。
「…麗」
「ん、」
日向。
…幼なじみから恋人になった、生まれた頃からずっと大切な人。
それは過去も未来も、何も変わることはない。
「もっかい、キスしたい」
「……言わなくても――…、……んっ…」
熱を含んだ口づけが
あたしと日向のはじまりを、甘美に照らしている。
日向。
これからもずっと、あたしの光――…。
【幼なじみって甘くない】完