――…そして四人目。



「なに、今いいとこなの」

「いや考え事してただけだよね!?」



童顔の部類に入る顔立ちは、先輩や年上の人は「可愛い」と口にする。

…本人がまんざらでもなく照れてるのを見ると、冷静になれとみぞおちにアッパーを喰らわせたい気分になったりならなかったり。


でも確かに綺麗な顔立ちをしているから、イケメン…なんだと思う。

あたしのもう一人の幼なじみで生まれた頃からの知り合い、もとい腐れ縁。


以上、身近にいるだけでも四人のイケメンと縁がある。



「だからー、来週ヨミさんと蓮さんの受験勉強の息抜きにまたウイイレやるのっ」

「奏と組むんでしょ?それでディフェンスがザルなんでしょ?」

「…なんで分かるんだ」

「なんで分からないと思うのよ」



そう言って嬉しそうにチョコパイを口にした

四人目……じゃなかった、幼なじみの日向。



「もう暗いねぇ、秋だ」

「…ウイイレの話どこ行ったの?」



ため息交じりで彼にそう言うと



「へへっ、ごめんってー」



秋の夕暮れだというのに、眩しすぎるくらいの

八重歯がチャームポイントとなった笑顔が返ってくる。



(……もう…)



…いつもそう。

日向のその笑顔を見るたび、あたしの心臓の奥はキューッて、鷲掴みにされたような痺れを帯びるんだ。