――…それから。



「菜穂、本っ当にありがとう!最高に楽しかった!」

「こっちの台詞だよ…!誘ってくれてありがとう!」

「また絶対第二弾しようねっ」

「っぜひぜひ!麗ちゃんとならどこ行っても楽しいもん!」



麗ちゃんとの楽しい日々を過ごし、あっという間に帰ってきた。

空港にはお父さんとお母さんが揃って迎えに来てくれて、今は麗ちゃんを送り届けて親同士で話をしている。



「菜穂、車出すよ」

「うん。麗ちゃんまた学校でね!」

「「またねーっ!!」」



車から麗ちゃんが見えなくなるまで手を振り合った。

楽しすぎて、夢だったのではないかと思ってしまうほどで。…現実だと知らせてくれる身体の心地良さすら愛しかった。



「菜穂、このまま携帯ショップ行くよ?」

「あっ、うん!お願いします」

「結局旅行中、アプリは使えなかったのよね?」

「…そう…。電話とかカメラとか、最初から入ってるやつは使えたんだけど」

「この際だから家族全員変えるか。どう?」

「いいわね!そうしましょう」



…蓮くんに連絡が出来なかったことだけが、ただただ気掛かりだったのだけど。