……いろんなことが頭をよぎった。

この状況は多分、多分だけれど、ヤバい。


…蓮くんにメリーで会った時と同じ胸底の重さが、確実にわたしを支配する。これはヤヴァイ…!!!



(……どうしよう)



…麗ちゃんなら蓮くんの連絡先を知っているかもしれない。それか暦先輩経由っていう手もある。

でもわたし自身の不注意に、人様を巻き込むわけには…。



「菜穂、あたしに何か出来ることある?」

「え、」

「誰かと連絡とりたいとかあったらさ。あたしが連絡先知ってる人ならいつでも言ってね」



そう言ってあたたかい声でわたしを包みながら、真剣に言ってくれる麗ちゃん。

明るくてやさしくて…本当に自慢の親友だ。



「麗ちゃん、ありがとう…!」



…だからこそ思考を巡らせたわたしは、ひとつの結論にたどり着いた。

今は麗ちゃんとの時間を存分に楽しみたい。そう思ったのだ。



(…蓮くんならきっと、帰って説明したら分かってくれる…!)




――…そんな考えが

いろんな意味で甘かったのだと知るのは、数日後のことなのだけれど。