「あ、動いたよ!」
「今日も元気だな」
「ふふっ。元気すぎてわたしが夜寝れないの、分かってるのかなぁ」
「…誰に似たんだ、本当に…」
「あははっ!!!」
そう言いながらも、愛でるようにわたしのお腹に触れる蓮くん。
わたしが手を重ねると、蓮くんは手をぎゅっと握ってくれた。
しあわせだ。
ふたりで同じ景色を見て、彼の左肩に傾けた顔を預ける。
「大きくなったら、パパに読み聞かせしてもらおうね」
「…男の子なら、ママは渡さないからな」
「ふふっ。女の子なら、ママの宝物でもパパは渡さないからねぇ」
性別は聞かないことにしている。
男の子でも女の子でも、大好きな蓮くんとの子ども。何よりもの宝だ。
「菜穂、こっち向いて」
「ん、……っ、ん…っ」
耳元で麗しく降る甘美な低音。
それを合図に、やさしい口付けが何度も何度も降り注いだ。