「……そうですね。烏丸さんにはよくしていただいているし、ああいう人がビジネスを円滑に進めるんですよ」
そう答えた彼は、なんとなく目が笑っていない気がして胸がざわめく。さっきの冷たい瞳も、勘違いではなかった……?
しかし、専務の異変は今回も一瞬で、すぐに温かな面持ちに戻っていたので、私のささやかな引っかかりはあっという間に消えていく。
「優秀なのは森次さんも同じですよ。毎回見やすくミスのない資料を作ってくれるので、本当に助かっています。今日は、私の補佐としても完璧でした。ありがとう」
魅力的な微笑みと共に褒めてもらえて、達成感が込み上げる。仕事ぶりを認めてもらえるのは、やっぱり嬉しい。
相手が専務だと、なぜかより嬉しさが増して、だらしなくニヤけてしまいそうになるものだから、「いえ、とんでもない……」と謙遜して俯いた。
ああ、今のは可愛げがなかったか……。フェチを隠すあまり、素直に喜んでいいところでも愛想のない反応をするのが癖になっている気がする。
専務にまた〝可愛い〟と言ってもらいたいのに、これじゃいい印象は与えられないな。
褒められたにもかかわらずなんとなくヘコみながら、窓の外を流れていく無機質なビルの群れを眺めていた。
そう答えた彼は、なんとなく目が笑っていない気がして胸がざわめく。さっきの冷たい瞳も、勘違いではなかった……?
しかし、専務の異変は今回も一瞬で、すぐに温かな面持ちに戻っていたので、私のささやかな引っかかりはあっという間に消えていく。
「優秀なのは森次さんも同じですよ。毎回見やすくミスのない資料を作ってくれるので、本当に助かっています。今日は、私の補佐としても完璧でした。ありがとう」
魅力的な微笑みと共に褒めてもらえて、達成感が込み上げる。仕事ぶりを認めてもらえるのは、やっぱり嬉しい。
相手が専務だと、なぜかより嬉しさが増して、だらしなくニヤけてしまいそうになるものだから、「いえ、とんでもない……」と謙遜して俯いた。
ああ、今のは可愛げがなかったか……。フェチを隠すあまり、素直に喜んでいいところでも愛想のない反応をするのが癖になっている気がする。
専務にまた〝可愛い〟と言ってもらいたいのに、これじゃいい印象は与えられないな。
褒められたにもかかわらずなんとなくヘコみながら、窓の外を流れていく無機質なビルの群れを眺めていた。



