大きな手で撫でられ、きゅうんと胸が高鳴る。
それはすぐに離れていき、呆ける私に「おやすみなさい」と穏やかな声がかけられた。ドアが閉められたあと、私はその場に立ち尽くしたまま、再び両手で顔を覆う。
ちょっと、もう……すごくときめいてしまったではないですか! 専務に頭ナデナデされるなんて、滅多にないし!
恋人気分を味わって悶えるも、すぐにあることに気づき、ぱっと顔を上げた。
おやすみを言われたからには、仰せの通りに彼がお風呂に入っている間に寝るしかない。ということは。
「お風呂上がりの専務も、眼鏡をかけたり外したりする専務も見られない……」
さっきは帰ろうとするほどためらっていたくせに、今は結構ショックで肩を落とした。
ああ、こんな機会はきっと二度と訪れないのに……。
しかし、贅沢なことは言っていられない。私は今夜、彼の服に包まれて彼のベッドで眠る。それだけでものすごく貴重なことなのだから。
部屋のほうを振り返れば、ホテルさながらの心地よさそうなベッドが目に入る。またしても心拍数が上がり始めるけれど、意を決してそちらへと近づいていった。
それはすぐに離れていき、呆ける私に「おやすみなさい」と穏やかな声がかけられた。ドアが閉められたあと、私はその場に立ち尽くしたまま、再び両手で顔を覆う。
ちょっと、もう……すごくときめいてしまったではないですか! 専務に頭ナデナデされるなんて、滅多にないし!
恋人気分を味わって悶えるも、すぐにあることに気づき、ぱっと顔を上げた。
おやすみを言われたからには、仰せの通りに彼がお風呂に入っている間に寝るしかない。ということは。
「お風呂上がりの専務も、眼鏡をかけたり外したりする専務も見られない……」
さっきは帰ろうとするほどためらっていたくせに、今は結構ショックで肩を落とした。
ああ、こんな機会はきっと二度と訪れないのに……。
しかし、贅沢なことは言っていられない。私は今夜、彼の服に包まれて彼のベッドで眠る。それだけでものすごく貴重なことなのだから。
部屋のほうを振り返れば、ホテルさながらの心地よさそうなベッドが目に入る。またしても心拍数が上がり始めるけれど、意を決してそちらへと近づいていった。



