「去年から、白桐のプライベートブランドのパッケージを、カノちゃんのところで請け負ってるらしいぞ。ふたりがくっつけば、お互いの両親も万々歳だろ」
社長の説明を、私たちはぽかんとして聞いていた。
お母さん、そんなことひとことも……。生巳さんが勤めている会社が違うから、桐原社長の息子だと気づいていないのか。
確かに、娘の恋人がいい関係を築いている会社の御曹司なら、文句はないだろう。彼のほうも、きっとお見合いを急かされることはなくなるはず。
生巳さんは驚きながらも、怪訝そうに社長を見やる。
「なぜあなたがそんなことを知っているんですか」
「息子のお前より、俺のほうが親父さんと仲いいからね」
得意げに口角を上げる彼に、生巳さんはなんとも言えない表情で脱力した。
あとから聞いた話では、生巳さんが絶縁寸前にまでなったお父様との関係を修復させた、〝大学時代のバイト仲間である破天荒な先輩〟が、なんと不破社長なのだそう。
きっとそれからも、社長とお父様には親交があったのだろう。
社長の説明を、私たちはぽかんとして聞いていた。
お母さん、そんなことひとことも……。生巳さんが勤めている会社が違うから、桐原社長の息子だと気づいていないのか。
確かに、娘の恋人がいい関係を築いている会社の御曹司なら、文句はないだろう。彼のほうも、きっとお見合いを急かされることはなくなるはず。
生巳さんは驚きながらも、怪訝そうに社長を見やる。
「なぜあなたがそんなことを知っているんですか」
「息子のお前より、俺のほうが親父さんと仲いいからね」
得意げに口角を上げる彼に、生巳さんはなんとも言えない表情で脱力した。
あとから聞いた話では、生巳さんが絶縁寸前にまでなったお父様との関係を修復させた、〝大学時代のバイト仲間である破天荒な先輩〟が、なんと不破社長なのだそう。
きっとそれからも、社長とお父様には親交があったのだろう。



