「ありがとう」とぎこちなく笑い、身を縮めてカフェラテに口をつける私。エイミーはいつも以上にハイテンションで、頬をピンク色に染めている。
「朝、カノちゃんに報告されてからずっと言いたかったの! スッキリしたぁ~」
「よくここまで我慢できましたね」
若干嫌味が交じっている生巳さんのひとことで、彼女は思い出したように言う。
「あ、武蔵には言っちゃった。この人なら絶対他の人にしゃべらないから」
てへっと笑って手で示す彼女の向かい側には、無口で大木のように体格のいい強面の男性が座っている。
この武蔵さんという彼は、わが社の有能な経理部長。見た目はかなりインパクトがあるにもかかわらず、無口故に存在感を消すことができる人なのだ。
どうして武蔵さんがいるんだろうと思ったら、そういうことね。彼はなにげにエイミーや社長と仲がいいから、ここにいても違和感がない。
律儀な彼に「恋愛成就、おめでとうございます」とうやうやしく頭を下げられ、私も苦笑しながらお礼の挨拶を返す。生巳さんは〝やっぱりか〟と言いたげに、額に手を当てていた。
「朝、カノちゃんに報告されてからずっと言いたかったの! スッキリしたぁ~」
「よくここまで我慢できましたね」
若干嫌味が交じっている生巳さんのひとことで、彼女は思い出したように言う。
「あ、武蔵には言っちゃった。この人なら絶対他の人にしゃべらないから」
てへっと笑って手で示す彼女の向かい側には、無口で大木のように体格のいい強面の男性が座っている。
この武蔵さんという彼は、わが社の有能な経理部長。見た目はかなりインパクトがあるにもかかわらず、無口故に存在感を消すことができる人なのだ。
どうして武蔵さんがいるんだろうと思ったら、そういうことね。彼はなにげにエイミーや社長と仲がいいから、ここにいても違和感がない。
律儀な彼に「恋愛成就、おめでとうございます」とうやうやしく頭を下げられ、私も苦笑しながらお礼の挨拶を返す。生巳さんは〝やっぱりか〟と言いたげに、額に手を当てていた。



