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本物の恋人として初めて過ごした休日は、ただご飯を食べているだけでも、テレビを見ているだけでも、ふたり一緒ならすべてが特別なことに感じて心が満たされた。

生巳さんの新しい眼鏡を買いに行ったのも、もちろん楽しかったし、ベッドで愛されるのも、まだまだ恥ずかしすぎるけれどとっても幸せだ。

そうして迎えた月曜日、『ランチを早く終わらせてラウンジに集合!』と、エイミーに声をかけられた。

ラウンジはビル内の二十階にあり、フリースペースとしてオフィスワーカーに活用されている。指定通りにそこへ向かえば、生巳さんや不破社長、有咲さんも次々とやってきた。

ひとつのテーブルに皆を集めたエイミーは、いつの間にかテイクアウトしていた全員分のコーヒーを渡すと、それを掲げて口を開く。


「さあ皆、乾杯しよ! カノちゃん、イクミン、カップル成立おめでとー!!」


エイミーのノリにつられて一応コーヒーカップを合わせた私たちは、そこでようやく集合させられた趣旨を理解した。

私たちを祝福してくれるのは嬉しいし、オフィスだと他の同僚にバレる可能性があるからここにしたのだろうけど、隣のテーブルの方々に注目されて恥ずかしい……。