「……大丈夫です。生巳さんの、好きにして」


Mな発言が自然にこぼれ、あとから恥ずかしくなったものの、生巳さんは愛しそうに目を細める。


「花乃、可愛すぎるよ。でも、俺の好きにしたら泣かせるかもしれない」

「えっ」


一体なにをする気ですか!?と、ギョッとする私に、彼はいたずらっぽい笑みを浮かべた。


「冗談。意地悪はほどほどにして、それ以上に愛してあげるから」


甘い声と逞しい腕に包まれ、心臓が破裂しそうなほど緊張しているのに、どこか安心する。確かな幸福を感じながら、私は身を委ねた。


『意地悪はほどほどに』と言いながら、生巳さんはまったく嫌なことなどせず、むしろとても優しく抱いてくれて、幸せでしかなかった。

一線を超えたあと、気力も体力もすでに限界だった私は、ベッドに運ばれた途端にまた気絶するように眠ってしまったのだけれど。

意識を手離すその瞬間まで、彼は寄り添って髪を撫で、愛される喜びを与え続けてくれていた。