「花乃の身体、柔らかくて美味しい」


生巳さんの声も表情も官能的すぎて、身体の奥からなにかが溢れる。自分でも濡れているのがわかるそこに、彼が直接舌を這わせるものだから、思わず拒んでしまう。


「やあっ、だ、め……!」

「俺がどれだけあなたを愛しているか、教え込まないと。昼間言ったでしょう」


おかしくなりそうな頭の中に、ミーティングルームで言われた、『あなたには教え込まないといけないようだ』というひとことが蘇る。あれって、そういう意味だったの?

一瞬抵抗をやめた私は、乱れていたシュシュを彼の手でするりと取られ、はっとする。長い髪が肩に落ちると同時に、ソファに優しく倒され、再びされるがままになった。

こんなに恥ずかしいことがあるのか、と思う行為の数々にひたすら悶えていると、わずかに呼吸を荒くしている生巳さんが、上体を起こして余裕のない顔を見せる。


「悪い、初めてがこんな場所じゃ嫌だよな」


確かに、私がイメージしていた初体験は、当然ながらベッドの上だった。でも、もはや場所なんてどうでもよくなっている。

今は、ただ彼が全身でくれる愛を感じていたい。