「森次さん!?」
聞き覚えのある声に呼ばれてぱっと顔を上げれば、仕事終わりらしきスーツ姿の烏丸さんが、本社前の歩道で立ち止まっている。
こちらに爽やかな笑みを向け、会釈する彼に、私は目を丸くした。
「こんにちは。奇遇ですね」
「烏丸さん! どうしてここに……」
「これから同級会なんですよ。この近くのレストランで」
それを聞き、さらに驚いた。だって、近くのレストランで同級会って……。
「どうかしました?」
「あ、いえ……桐原専務も今夜は同級会だと言っていたので、びっくりして。でもまさか、おふたりが同級生なんてことないですよね」
へらっと笑って言うと、烏丸さんは意味深に口角を上げ、「そのまさかですよ」と認める。
「同級生なんです、僕たち。まあ、ちょっと事情があってお互い内緒にしてるけど」
「そうだったんですか!?」
予想外の事実に驚愕して、すっとんきょうな声を上げた。
そういえば、生巳さんが烏丸さんを冷たい目で見ているときもあったっけ。昔、なにかあったんだろうか。
ふたりがどうして隠しているのかも気になるけれど、この人なら生巳さんと慧子さんの関係も知っているかもしれないと思うと、聞きたくて仕方なくなってくる。
聞き覚えのある声に呼ばれてぱっと顔を上げれば、仕事終わりらしきスーツ姿の烏丸さんが、本社前の歩道で立ち止まっている。
こちらに爽やかな笑みを向け、会釈する彼に、私は目を丸くした。
「こんにちは。奇遇ですね」
「烏丸さん! どうしてここに……」
「これから同級会なんですよ。この近くのレストランで」
それを聞き、さらに驚いた。だって、近くのレストランで同級会って……。
「どうかしました?」
「あ、いえ……桐原専務も今夜は同級会だと言っていたので、びっくりして。でもまさか、おふたりが同級生なんてことないですよね」
へらっと笑って言うと、烏丸さんは意味深に口角を上げ、「そのまさかですよ」と認める。
「同級生なんです、僕たち。まあ、ちょっと事情があってお互い内緒にしてるけど」
「そうだったんですか!?」
予想外の事実に驚愕して、すっとんきょうな声を上げた。
そういえば、生巳さんが烏丸さんを冷たい目で見ているときもあったっけ。昔、なにかあったんだろうか。
ふたりがどうして隠しているのかも気になるけれど、この人なら生巳さんと慧子さんの関係も知っているかもしれないと思うと、聞きたくて仕方なくなってくる。



