キミ観察日記

「センセイとの用事でもなきゃ。ヨイチは、休みの日にわたしを一人にしたりしない」
「……まあ。アイツら気持ち悪いくらい仲いいからな」
「本物の親子みたいだよね」
「ホンモノの親子がどういうものかなんて、オレにはわかんねえけど。センセイも物好きだよな。オレらみたいな子供かくまうなんて」
「素敵だと思う」
「オレがどれだけ手を汚してきたか聞けば悠長なこと言ってらんねーかもよ?」
「ううん。手段を選ばないところも含めてそう思う。そんなセンセイだから。……ただ綺麗なだけじゃないからヨイチは惹かれてるんだよ。センセイは、ヨイチのヒーローなの」

 寂しげに俯く少女。
 その瞳の先には一人の男しか映っていない。

「なんにせよ。オレがオッサンなら――」

 少年が、少女の顎を持ち上げ振り返らせる。

「とっくに喰ってる」
「……死体以外に興味あったんだ」
「心外だな」

 少年が、少女に顔を近づける。

「誰でもいいわけじゃない」
「欲情できるの? 青臭いガキに」
「なんだよ。さっき言ったこと根にもってんのか」
「ねえ、マユ」
「ん?」
「どうしてもわからないことがあるの」
「……なんだよ」
「なんでわたしに、センセイは、娘と同じ名前をつけたのかな」