こわい。 魔女だ。 なんだかハヅキが、ワルい魔女に見えてきた。男だけど。 「…言っとくけど、俺は絶対離さないよ」 ハヅキが残りの生チョコを大切そうにラッピングの袋にいれて、リボンを結ぶ。私が結んだ時よりも100倍綺麗に。 「七味チョコ、ごちそうさま」 そして綺麗な笑顔を残して、私に背を向けた。 ――どうやらワルい魔女には、私ごときの考えは全部お見通しだったようで。 (こわい…) 二回目のキスは苦くて辛くて、敗北の味がした。