「悩んでる?」 自分の席で、はぁ…とため息をついた私に、京星くんが話しかけてきた。 京星くんと前と変わらない関係でいられるのは、京星くんが前と全然変わらない態度で私に接してくれるからだ。 「……ううん、悩んでる、というか」 「ハヅキのことだろ?」 ポーカーフェイスでズバッと核心をついてくる京星くん。 「最近避けてるもんな、紗英のこと」 「えっ…やっぱりそう思う!?」 「おー。あいつ、ほんと分かりやすいよな」 はっ、と笑う京星くんはなんだか楽しそうだった。