手際よく作っていく咲姫はみそ汁をすでに完成させている。
「さきちゃん。お腹すいた」
「もうちょっとだから待ってて」
大きいお皿にフライを盛り合わせて
みそ汁とご飯。サラダも持って行くと一斉に食べ始めた姉弟たち
「すごっ」
海斗君のを優羽ちゃんが
麻衣ちゃんのを優奈ちゃんが取り分けて
食べやすいようにしているのを見ると、兄弟愛を感じてしまう
「いつもあぁなの?」
「両親がいないときは。
普段は2人共お父さんが見てくれるから」
そうなんだ
「羨ましいなぁ」
「え?」
あたしは1人っこだし。面倒を見てくれる兄弟もいないから
咲姫たち兄弟を見ているとすごく羨ましい
「あたしはさ、こういう家計だから、ちゃんと理解してくれる人がいいなぁ」
「は?」
だって、え、
あの。例の彼氏はどうしたの?
「咲姫、彼氏いたよね?」
「別れたけどね。
アイツさ、家族よりも自分を大切にしてほしいやつだったんだよ」
「!?」
「今日みたいに、電話がかかってくれば、こうやって
兄弟を優先しなくちゃいけない時だってあるのにさ。
アイツは、そうじゃなかった。他の兄弟・・・つまりは
優奈や優羽に全部を任せればいいじゃないかってそう、あたしに言ったわ」
「そんな・・・アイツってそんな男だったの!?」



