蘭蝶 短編集

どこかに電話を掛けた湊



校舎を出ると見えたのはさっきまで咲と乗っていた車



『…湊?』



てっきりバイクでどこかに連れて行かれるもんだと思っていたからちょっとびっくり



「乗って。」



『う、うん』



後部座席に私を乗せ湊もその後に続き乗る。座席に私達が座った事を確認して車が緩やかに走り出した。



『あ、あの』



「…っ…はあぁ」



ため息をつかれてしまった…。



『あ、あのね、咲と綾さんがお化粧とか髪とか服とか色々選んでくれたし、やってくれたんだぁ』



沈黙に耐えられなくてペラペラと聞かれてもいない事を早口に言う