「いつもさー…」



え?



律くんは窓の向こうに流れる景色を指さす。



「この景色眺めながら、なんで毎日学校行かなきゃなんねーの?眠てぇなーって思ってボーッとして」



「ふふっ、そうなんだ?」



学校に行く意味なんて特に考えたことがなかったなぁ。



とりあえず欠席や遅刻をしないように注意して、行けば友達もいるし、授業を受けて家に帰る。



ただただその繰り返し。



「周り見たらさ、他のやつも俺みたくみんな眠たそうなのに、なんか楽しそうに座ってる子がいて」



へえ…どんな子なんだろ。



今もこの車両にいる?



周りを見回すけど、目を閉じて眠っている人やしかめっ面で新聞を読んでいる人、無表情で音楽を聞いている人と様々。