自分なりに頑張ったつもりだけど、一瞬で打ちのめされた。



まさか鼻で笑われるなんて。



「やっぱくそ真面目?」



「そうなのかなあ…」



だからって、嘲笑うなんてひどい。



軽く落ち込み俯くと、律くんが顔を覗き込んできた。



その突拍子もない行動に驚くのと共に、至近距離で目が合い心臓が跳ねる。


「明日、電車で話しかけるつもりだった。隣に座るけどいい?」



え…ええっ!?



更にドキドキが増して、私は動揺しっぱなし。



律くんは…余裕があるように見える。



「ど、どういうこと?」



「もっと、乃愛のこと知りたい。いいかな…」



いいかなって…。



あれ、今…乃愛って言った?



え…と、思考が追いつかないよ。