ワケあり男子

「そんなんじゃない…」



「律、俺…やだよ。離れたくない…」



「わかってるよ」



え。



律くんが腕を伸ばし、マリモくんの肩を抱く。



そして…ふたりはくっついたまま動かない。



ちょっ…。



衝撃の場面を見てしまった…。



マイクを渡すことも忘れ、カウンターへ戻る。



「どうしたの?どこかわからなかった?」



如月さんは苦笑いをしている。



「あの…私…」



見てはいけないものを見てしまったみたいです。



目が泳いでしまう。



ポンッ。



突然後ろから肩を叩かれ、ビクつく。



「忘れ物?」


振り向くと、律くんが真後ろにいた。



「きゃあっ!!」



「…………」



しっ、しまった…。



今のはかなり失礼だよね。