「や、なんとなく…また振り切れずに震えてるのかなって」



「そんなに震えてました?とにかく怖くて…」



「俺のことは、怖くない?」



それはもちろん。



「怖く…ない、です」



「よかった。第一印象、いつもかなりひどいから」



そうなの?



私には最高のイメージしないよ。



「いいイメージしかないです。突然現れた、ヒーローみたいな…」



自分で言って照れる。



「ははっ。そんないいもんじゃないけどねー」



笑ってる顔…すごくいいなぁ。



さっきまでは愛想がなかったから、全然違う人みたい。



「退学なんてダメなんで…もし、次に私が絡まれたら知らないフリして下さいね」



「そんなこと言って、振り切れる?」



「それは…」



また、震えるのかな。



黙って違う車両に行くことはできる。



それか、乗る車両を変えればいいよね…。