「大丈夫?」


爽やかに微笑んでいる彼はとてもじゃないけど怖そうには見えない。


さっきの男の子たちは、どうして逃げて行ったのかな…。


「あっ…はい、ありがとうございました…」


「今度また絡まれたら、俺の名前出していいよ」


「いいんですか!?」


「籾高(もみこう)の如月っていえば、だいたい逃げるから」


この制服って籾高なんだ…。


同じ沿線にあることは知っていたけど、今日初めて知った。


「強い…んですね」


「そんなんじゃないけど」


側にいるだけで、なんだかいい匂いがしてくる。


雰囲気は大人っぽいし、話すときのしぐさや表情を見ているだけでなんだかドキドキしてくる。


なんだろう…この感じ。