「もう時間なの。律も来てくれなきゃやだ」



「ごめん、今日は行けない」



「どうして?」



「兄貴が、いい加減勉強しろってさ。乃愛は俺の監視役」



「監視役なんだ?ふーん。その割にはいちゃついてなかった?」



ドキッ。



いちゃついては、いなかったはず…。



そう見えたのかな。



だから睨まれたの?



ドキドキしながら視線を上げてはまた伏せることの繰り返し。



「顔触ってたし」



「別に。松風女子って校則厳しいのかって聞いただけ。イヤーカフとか、意外と似合いそうだよなって思ってつい…」



律くんはサラッと答えている。



す…すごい。



そんな話なんて出なかったけど、そう思っていたのかな。



それで…触ったの?



思わず耳に手が伸びる。