「…行こうか、花莉」
「…うん」
2人で深呼吸をしてから、3組の教室へと足を踏み入れた。
きょろきょろと教室内を見渡して高木さんと原田さんを探す。
2人は髪色が派手だから、すぐに見つかると思ったんだけど……
まさかの
「…いない?」
そんな馬鹿な。
確かに2人はここの教室に入っていった。消えるなんてこと……
「花莉、こっち」
京子に手招きで呼ばれて、何かと思ったら。
ベランダへと出入りできるドアを開けた京子。
…なるほど。
ここから出ていったのか。
ベランダへと出ると、
一番端の教室、自習室前のベランダにいる女の子2人と目が合った。
2人の女の子というのは、さっきまで追っていた高木さんと原田さん。
2人はガチャガチャとドアノブを回している。
…おそらく、ベランダから自習室へと続くドアに鍵がかかっていて入れないのだろう。



