その記憶力を勉強に回したらすごくいい成績が取れそうだ…。
「2人ともそれ聞いてどうするの?まさか探すの?」
「「探してるの」」
京子と声がハモる。
「詩優と竜二に声かけてこようか?2人が直接『返せ』って言っほうがすぐに返してくれると───」
倫也が不自然に言葉を切る。
それから濡れた手で私たちの後ろを指さして、
「咲ちゃんと真美ちゃんだ」
そう口にした。
その言葉に私と京子はくるりと後ろを振り向くと、そこにいたのは金髪の女の子2人。
1人は胸元まである金髪をくるくると巻いていて、もう1人は肩につくまでのセミロング。2人とも、メイクは濃くて…いわゆるギャルというもの。
2人は目立つタイプの人だったから、校内でも何回か見たことがある。
なんて思っていたら高木さんと原田さんは私たちの視線に気づいて、走って逃げていった。
「花莉、行こう!!」
「うん!!」
私はポケットからハンカチを出して、倫也に渡してから、京子と走り出す。
高木さんと原田さんを追って。



