世界No.1の総長と一輪の花Ⅲ








昼休みになると倫也が復活。
びしょ濡れになった手を水道まで洗いに行く倫也について行く私と京子。



なんで倫也の手がびしょ濡れなのか、考えなくてもわかる。
おそらく、京子がシャカシャカと振っていおいたサイダーを開けて吹きこぼれたのだろう。




幸い制服は濡れていないけど……
サイダーが吹きこぼれた時の倫也の反応が見たかった、なんて思ってしまう。




「あ~、俺が見た女の子たち?」


「そう!名前とか、特徴とか教えてほしくて…」





「2年3組の高木 咲(たかぎ さき)ちゃんと、同じく2年3組の原田 真美(はらだ まみ)ちゃんだよ」




水道で手を洗いながら答えてくれる倫也。




…まさか、フルネームで知ってるなんて。
しかも学年とクラスも。
…見たのは一瞬のはずなのに…すごすぎる。




「倫也はね、うちの学校の女子生徒全員の顔と名前、学年とクラスも覚えてるのよ。
いらないところで記憶力いいのよね」




そう教えてくれる京子。
今、さらりとすごいことを聞いた気がする。