世界No.1の総長と一輪の花Ⅲ





屋上のドアから出て、階段をおりて。

京子はこのまま走って行ってしまうのかと思ったら、階段の踊り場でぴたりと足を止めてくれた。




くるりと後ろを振り向いた京子は、




「…ど、どうしよう花莉」




不安そうにそう言って座り込んだ。




「き、京子っ!?」



慌てて京子のもとへと駆け寄って、私も隣に座り込んだら…




「私…竜二のことが好きなの…。
だから…他の子が竜二の物を持ってたら嫌だ…」




耳に届いた小さな声。



京子は今、なんて…?
好きって言った…?竜二さんを…




京子が…竜二さんを…好き…




好き!?




数秒後にはようやく京子が言ったことを理解した私。




京子に好きな人か気になる人がいる、ということはバレンタインの時に初めて気づいた。
だけど、その京子の好きな人が竜二さんだったなんて…!!





しかも、京子のあの言い方からして…
恋のジンクスを知っているんだろう。




「京子の恋は私が応援するっ!!」



ぎゅっと京子の手を強く握った。